ロシア軍によるウクライナ侵攻に

反対します

 

 私たちは今、深い悲しみと大きな怒りを抱いています。ロシア軍がウクライナに侵攻してからひと月余りが経過し、怪我をした子どもたちや命からがら隣国に逃げてきた難民の姿、そして無惨に破壊されたウクライナの街々が毎日報道されています。

 私たちは、いつ、誰によってでも、いかなる理由があろうとも、子どもたちの穏やかな日常と平和な生活が破壊されることは許すことができません。私たちは、ロシア軍がウクライナから即時撤退することを強く求め、一刻も早くウクライナの人々に平和な日々が再び訪れることを願います。

 

   すべての子どもたちに平和な生活を!  すべての子どもに読書のよろこびを!

 

2022年3月30日

                      親子読書地域文庫全国連絡会 世話人一同

 

 

 

日本学術会議任命拒否問題について

日本学術会議任命拒否問題について

 

この度、日本学術会議が推薦した新会員105人のうち6人が、理由も示されずに任命されなかったことについて、私たちは異議を申し立てます。

 

「日本学術会議」は、先の太平洋戦争に協力することになってしまった科学者たちの深い反省のもとに「政府から独立して職務を行う「特別の機関」として設立された」ものです。その憲章には、科学者は「人類遺産である公共的な知的資産を継承して、その基礎の上に新たな知識の発見や技術の開発によって公共の福祉の増進に寄与するとともに、地球環境と人類社会の調和ある平和的な発展に貢献することを負託されている」との認識が示されています。そのときどきの政策や政権におもねることなく自律した機関として、専門的な知見を結集し、社会の発展と未来にとって必要な提言や活動を行う「日本学術会議」は、とても大切な存在であると改めて考えます。

 私たち「親子読書地域文庫全国連絡会」は、子どもたちに読書のよろこびを伝えることを目的に、家庭文庫・地域文庫や、学校、図書館などさまざまな場で読書を広げる活動を続けてきました。読書によって培われた力は、自ら考え判断するたくましい子どもたちを育て、平和で安全な未来への道を見出していくであろうと信じています。

 私たちは、子どもたちの未来に責任を持っています。多種多様な歴史・文化を超えた交流や科学的発見に裏付けられた真剣な議論が、いつでもどこでも誰とでもできるような未来を、子どもたちに手渡したいと願っています。今回の問題は今すぐに子どもたちに影響するものではありませんが、今私たちが、おかしいことをおかしいと声をあげなかったら、結局そのしわ寄せは子どもたちに及ぶこととなるでしょう。時の政権による学問の自由への理不尽な介入を許さず、自由で闊達な意見表明が保障される民主的な社会を守りたいと強く願います。

 

 ここに私たちは、日本学術会議が推薦した会員候補者の任命されない理由を明らかにし、なおかつ速やかに6人の任命を行うことを要望します。

 

 

2020年11月10日

親子読書地域文庫全国連絡会 世話人会

 

全国交流集会でのアピール

アピール

 

 「親子読書地域文庫全国連絡会」は1970年の発足以来、今回で第22回を数える全国交流集会の開催、10月で通算437号となる『子どもと読書』の発行、そのほか様々な活動を続け今日に至ります。この間一貫して追求してきたのは、すべての子どもたちに読書の喜びを実現することであり、そのためにはなにより平和で自由な社会を守ることこそが要であるという強い思いの共有でした。また、地域での活動から小中学校の図書館に目を向け、学校図書館問題にもいち早く取り組み、少なからぬ成果を見ることもできました。

 しかしこの50年の間に社会は大きく変化し、子どもたちを取り巻く状況も比較にならないほどの多様で複雑な問題を孕むようになっています。格差やいじめ、虐待や、目に見えない様々な障害など子どもたちを苦しめる現実を知るにつけ、おやちれんが果たしてきた役割とこれから担わなければならない責務について、真剣に考えざるを得ません。

 私たちは、命や個人の尊厳が大切にされる社会、一人ひとりの子どもたちが生きる喜びを実感できる社会、性別や国籍を越えて広くつながりあい、ともに地球の未来を守りあえる社会を目指します。それを実現するには「読書」の力が大きく寄与することでしょう。読書で身につく力とは、子どもが「自ら考え、判断し、行動する力」であるとともに、「共感する力、手をつなぐ力」でもあります。そして私たち大人は、それを「見守り、支える力」でありたいと願います。

 これからも「すべての子どもに読書の喜びを」を合言葉に、人とのつながりを大切に、地道に粘り強い活動を共に続けていきましょう。

 

すべての子どもに読書の喜びを!

 

 

2019106

親地連50周年記念 第22回全国交流集会 参加者一同

講談社様

講談社ビーシー様 

2019年6月

親子読書地域文庫全国連絡会

代表  原 良子

世 話 人 会

  

『はじめてのはたらくくるま』について

 

 私たち親子読書地域文庫全国連絡会は、1970の発足以来、「すべての子どもに読書のよろこびを!」を合言葉に活動を続けてきました。私たちが目指してきたことは、生まれや環境に縛られることなく、すべての子どもたちが多種多様な本と出会い、喜びや悲しみ、感動や励まし、希望や夢とともに生きる力を見いだし、現実の社会をたくましく生きていくことです。子どもたちの幸せな現在と子どもたちの明るい未来を、本の力を通して、可能にすることです。
 今日、多文化共生は社会の大きな要請となっています。子どもたちには、歴史や文化、言語や宗教、肌の色や嗜好の違いを超えて、さまざまな国や人びとと出会い交流し、お互いの違いを認め合い理解しあえる寛容な社会の実現に向かって歩んでほしいと願っています。長い歴史を通して私たち人類は、争うことの虚しさを痛感し、お互いの利害や憎悪を超えて歩み寄る方法を学んできたと思います。

 そうしたことを可能にするためには、どのような本を子どもたちに手渡したらいいのか、私たちは慎重に考え、選びたいと思います。特に学齢前の幼児を対象とした本については、作る側も手渡す側も、大人に対するそれとは全く比較にならない大きな責任を伴うものであると考えます。今回貴社が刊行された標記の本には、自衛隊の車両などが6ページにわたって掲載され、あたかも戦うことが日常の一コマであるかのような印象を与えるものとなっています。あえて3歳からの幼児に向けての本として発行されているなかに、このような写真がなんらの躊躇もなく掲載されていることに、私たちは驚きとともに大きな憤りを感じざるを得ません。

 この本の発行についてぜひ熟慮をお願いします。人気のシリーズであるのであればなおのこと、幼い子どもたちに向けての本作りのあり方を今一度見直してください。幼ければ幼いほど、手にする本の影響は相対的に大きくなります。戦争について何にも知らない子どもたちに向けて、戦争を肯定するような本をあえて出す必要があるのでしょうか。

  貴社の慎重な対応を切にお願いいたします。

 

「共謀罪」反対のアピール

緊急アピール

 

おやちれんは「テロ等準備罪」=「共謀罪」に反対します

 

親子読書地域文庫全国連絡会(親地連)

代表     広瀬 恒子

 

 私たち「親子読書地域文庫全国連絡会」は、これまで「すべての子どもに読書のよろこびを!」を合言葉として、地域や図書館や学校などの場で子どもたちに本を手渡し、子どもたちとともに本を楽しみ、子どもたちの豊かな未来を願って活動を続けてきました。

 私たちの活動の基本にあるのは、本を読むよろこびを日常的に享受できる環境をどの子どもにも保障すること、その中で子どもたちが伸びやかに生き生きと育っていくよう地域社会に働きかけ、また広く社会に発言し行動することにあります。子どもたちがこれからも、戦争や暴力や理不尽な迫害にあうことなく平和で豊かな未来を生きていけるように、できる限りの努力を続けていきたいと考えています。

 今、過去3回も廃案になったにもかかわらず、「共謀罪」が再び「テロ等準備罪」と名前を変えて新設されようとしています。この法律は、私たちの行為だけではなく、内心の自由や思想すらも処罰の対象にしかねない恐ろしい法律です。そして私たち、ごく普通の市民の生活や発言が警察によって絶えず監視され密告が奨励される、息の詰まるような監視社会を許してしまう法律です。市民が自由に考え、話し合い、発言することすらも制限されてしまったら、それはもはや自由な社会とは言えなくなってしまいます。

 このような恐怖社会を招来するような「共謀罪」を成立させてしまうことは、憲法9条の改悪とそれに続く戦争への危険な道を許すことになりかねません。

 子どもたちの平和で安全でしあわせな未来を、私たちはなんとしてでも守りぬいていきたいと思います。子どもたちが自由に学び、考え、その考えを表明し、発信できる社会を、私たちの時代で終わりにしてしまうようなことは絶対によしましょう。

 

 子どもたちの平和な未来のために、私たちは断固として「テロ等準備罪」に反対します。

 

2017527

親子読書地域文庫全国連絡会 世話人一同


全国交流集会でのアピール

 アピール2015

私たちは安全保障関連法に反対します!

 

子どもたちに、武器を持たせてはいけない。

子どもたちに、意味なく人を憎む理由を与えてはいけない。

子どもたちから平和で自由な未来を奪ってはいけない。

子どもたちに、安心して日々を過ごし、安心して自分たちの子どもを育てられる社会を

      手渡さなければいけない。

 

私たち親子読書地域文庫全国連絡会(親地連)は、子どもたちの伸びやかな成長を願い、地域での読書会や家庭文庫のネットワークとして45年にわたって読書運動を続けてきました。第20回を迎える今回の全国交流集会でテーマを「平和あってこそ 子どもの本」としたのは、昨年末の「特定秘密保護法」に続いて「安全保障関連法案」が審議中であったことに大きな危惧を抱いてのものでした。しかし残念ながら市民の大きな反対にもかかわらず、9月に安全保障関連法は成立してしまいました。これが憲法九条をないがしろにし、子どもたちの未来を脅かす大変危険な法であることは明白です。またその成立過程を見ても、民主主義の根幹をなし崩しにする横暴なものでした。私たちは戦後70年の節目の年を、戦争に向かう分岐点として迎えてしまったのではないでしょうか。非常に大きな憤りを禁じ得ません。

 

親地連はここに、子どもたちの健やかな成長と平和な未来を願う者として、「安全保障関連法」成立に対して抗議します。そしてこれからも、戦争国家を目指すどのような企みがあろうとも、それらを阻止する運動を続けることを決意し、ここに集う参加者とともに、それぞれの地域でも地道に運動を続けていくことを誓います。

 

私たちはこの法を廃止へと追い込み、平和憲法をかたく守り抜きます。

                

 

            2015104

 

親子読書地域文庫全国連絡会

20回全国交流集会参加者一同